2月に他界した父の新盆である。
新盆を迎えるにあたっては、いろいろしきたりがあるらしく、8月になって右往左往する始末・・・
最後まで父とは 意志の疎通がなかった。
本人も まさか死ぬとは思ってなかったからか・・
父の心を覗くことはできなかった。右足と両手はリューマチで、自由に動かすことができない状態で、不自由を承知で一人暮らしをしていた。
母は、介護施設に2年ほど前からお世話になっている。
母は、それ以前から体が悪く、病院を転々としていて、最後に今の介護施設に・・・。
私が、大学病院に転院するとき、
「もう、だめかも知れない・・お袋のことも面倒見れないかもしれないから、覚悟しておいてくれ」と、電話で言ったら
父は、一言
「わかった」 とだけ言った。
私が大学病院に、入院している間、一度も父が顔を見せることはなかった。
一時退院とかで私が、実家へ顔を見せに行っても、父とはあまり話すこともなかった。
さすがに私も、移植前に親が顔を見せないのには、がっくりきたものだけど・・
退院しても、あまり話することもなく、お袋の病院の転院も介護施設への入所も私には一言の相談も報告もなく父がひとりで不自由な体でやった。
あの時、父の中では 息子は死んでしまったのかもしれない。
治るやら治らんのやらわからん息子を待つより、自分が妻の面倒を見ないといかんという気持ちが強かったのか・・
と最近思うようになった。
明日、お墓で迎え火をたく。。
月別アーカイブ: 2008年8月
奥出雲おろち号と延命水
トロッコに乗る今の今まで、亀嵩で降りてゆっくりそば食べて・・・横田でもおり・・もののけの・・なんて、考えていたのに・・一転、3段スイッチバックオンリーの頭になってしまって・・・根が単純というか・・
木次線は 出雲神話伝説と深くかかわっているところで、去年の秋あたり(?)から、各駅に ヤマタノオロチ伝説にちなんだ 名前がつけられた案内板をたてている。
ちなみに出雲三成は 大国主命(おおくにぬしのみこと)
出雲坂根にある延命水は 100年以上も生きた狸が飲んでたというので、長寿・延命に・・・という言い伝えがある水になったとか。。
なかなか 吹っ切れたようで吹っ切れないもので・・今回の主たる目的。
「延命水」を飲む・・ の出雲坂根に 到着
到着する前から 乗客の皆さんは ペットボトルの中身を空けて 2.3本抱えている。停車時間は 6分。
私はというと・・もう一度戻ってくるから 汲むのはその時でいいか・・
と 手ぶらで降りる。
みんな群がるように、延命水のところに集まっている。
口に含むと重い。硬いのかなあ・・硬水・・でもうまい。
「延命」という言葉の持つ雰囲気とこの水の感触が、なんとなく一致する・・。不思議な時間。
もっとゆっくり水の感覚を味あう余裕もなく、発車にあわせて列車に戻り、いざ三井野原へ。。
動画 出雲坂根に入るところから 3段スイッチバック
これねえ・・・出雲坂根からバックで出て行くんですねえ オモシロイ。。運転手さんが後ろを見ながらバックしている、一般的に最近の列車でスイッチバックといえば、運転手が前後ろの席を移動するんだけどね。皇族の普通電車のときも、運転手が席を移動したからね。
2段目のスイッチバックのところは、トンネルのような屋根がある。から 吸い込まれていくような気がする。この後の普通電車にも乗ったんだけど、列車自体の長さが違うのと車高も普通の法が低いので、迫力もこの吸い込まれていくという感覚もしない。
木次駅で 駅員さんが言ったとおり
「迫力も乗ってる感覚も、ぜんぜん普通列車のとは違いますよ。乗り比べれば、その違いがわかりますよ・・」
ホント全然違う!。 デジカメを回す気にはならなかった。
備後落合にて オロチ号と備後線の 三好行き
落合に着き、折り返しオロチ号で木次駅へ戻る。
オロチ号は 客車1両とトロッコ車両を引いている。
客車の部分は、自由席なので 客車に移り 出雲坂根に戻る。
逆回りの三段スイッチを経験。
三井野原側からは、低い位置への下りになるので・・豪快さはやはり上りの方かなあ・・・
出雲坂根に着き、ペットボトルを持って、上り線路脇の延命水の水場に行くも車で来た人たちが、並んでいる。そうこうするうち、上り普通電車が入ってくる。上り電車のほうを見ながら、もう一杯延命水を飲み、ペットボトルに水を入れる。発車のベルが鳴り始めるのでキャップを閉め脱兎のごとく、ホームへ駆け上がるが、プシューという音ともにドアが閉まり、動き出そうとする。
「これに乗り遅れたら、あんた・・帰れなくなる!」血相を変えて車体をたたきドアを開けてもらい、乗せてもらう。
ふー。ばつ悪く乗客に頭下げる。冷や汗たらたら。
<下りホームのオロチ号 上りホームの1両の普通電車 出雲坂根>
<右手ホーム手前 延命水>
一両の普通電車は、端から端まで動くと 進行方向と両方が見えるから、スイッチバックの場合は、見やすい。が、いかんせん車高が低くて・・・迫力はない。
<2段目 屋根つきスイッチバックの切り替えポイント。>
定刻どおり、普通電車は備後落合に着き、新見行きに乗り換える。
再びクーラーのきつさにおびえながら 新見で乗り換え岡山。
そして 帰ってきた。
延命水は 家族が一口ずつ飲んだら、無くなってしまった・・・
「がぶがぶ飲むほどあったら、ありがたみがなくなるでしょ。」とかみさん。それも、一理・・・
春かなあ・・・もう一度いくなら。。
木次線スイッチバックと延命水
翌朝、けだるさで目を覚ます。ちょっと寝なかったり、歩きすぎると翌日の回復力は極端に落ちるみたい。。
今日は延命水か!と気合を入れる。
せっかく来たんだから、宍道湖の周りも回ってと宍道湖温泉駅から一畑電車に乗る。
乗ったものの、ベンチ型シートなので外が見づらい。朝からガラガラの車両の中で 一人だけ立って外を見るというのも・・・なんだかなあ。。
出雲から宍道湖へ、そして木次線へ。
木次駅から、10時発の奥出雲おろち号というトロッコ列車に乗る。
普通トロッコというと 列車の最後尾に付いてる遊覧車のようなものと想像していたんだけど・・・
機関車はディーゼルでDD51という化粧直しした勇ましいもので、思わず「カッコイイ」と叫びたくなるような。。
トロッコ部分は内装も綺麗な車両で、ちゃんと運転席がある。つまり 機関車が押すのである。ちょっとびっくりしたけど、よく考えてみたら、スイッチバックだから押したり引いたりするから不思議なこともないか・・・・
奥出雲おろち号のトロッコ
奥出雲おろち号の機関車
木次駅のホームで 備後落合 での接続について 駅員さんに聞いていたら
「落合で 新見への接続待ち2時間ありますから・・そのまま待つのもなんでしょうから、これで出雲坂根まで引返して、後続の普通に再び乗って落合へ引返せば、待ち時間なく乗れますよ。その上、スイッチバックが3回経験できます。」と、なんと親切に教えてくれた。
「ほう、それじゃあ 3回も乗れるんか・・」とニンマリする。
つまり この奥出雲おろち号上りは、備後落合に12:08に着き、折り返し下りは 12:30に落合を出て 木次駅を目指すわけだが、13:12に出雲坂根に入り、その後そこに入ってきた 上りの普通電車が13:19分に発車するから、それに乗り換えれば再び 落合に戻り、新見行きに接続するというおいしい話。
これが 三段スイッチバックの最初の起点となる駅だから、面白いというか運がいいというか・・・
何でも訊いてみるものだし、駅員さんが親切に教えてくれたのには 嬉しかったなあ。
定刻どおり出発した おろち号はトロッコを先頭にゆっくりと走る。
ボランティアガイドも乗ってきて・・・
<つづく>
バブルリング その2
米子で チラッと 鬼太郎電車を見て 後続の やくもに乗り換え 出雲へ。出雲で 再び 各駅(普通電車)に乗り換え 「波子」を目指す。
岡山からの各駅も、この山陰線の各駅も 気分が悪くなるくなるくらい冷房が効いており、スポーツタオルをお腹に巻いて、この冷たさをやり過ごす。山陰線の各駅は2両編成だったのだが、2両目に乗ってる私は ひとりになることが多く、それゆえ効き方も きつい。
岡山を出てしばらくして、天気は大荒れになり、山陰路に入ってだんだん天気は回復、「波子」に着くころには、快晴に近くなっていた。
波子駅に降りたのは 地元の人らしい人一人と私だけ。改札の窓から おばちゃんが 「JR利用の方に限り、アクアスの入場券 2割引になってますから、どうですか?」と、大声で私に呼びかける。
「JRの利用客だけに?・・・」と言ったってあなた・・。ここJRの駅だけど・・それ以外の客なんていないでしょうとぷっと吹き出しながら 買う。
でも 私一人だけだし・・1日何人利用するんだろうか?な。アクアス 行くのに・・JR。
駅舎はこじんまりと建てられてるし、「波子駅会館」 という看板立ってるから、どっちが副業か知らないけど 2足か3足のわらじを履いてるんだろうな・・。最近こういうスタイル多くなったよな、JRの駅。
「どう行ったらいいの?」とおばちゃんに聞く。
「前の綺麗な道、まっすぐ行くと行けますから・・・10分ぐらいです」
いわれるままに表に出ると、綺麗な遊歩道が整備されている。
またもや、何人この道とおるのだろうか?と苦笑しながら、歩く。
県や国の肝いりでたぶん作ったのだろうけど・・・
遊歩道の端は、見るからに草ぼうぼう・・歩いてないし、こまめに整備もしてないんだろうなというのは、一目瞭然。。
暑い・・昨日寝てないから、そろそろしんどくなってくるし、案の定目のほうがシパシパして、多少気分が悪くなってきた。
アクアスに入る。施設としては そんなに取り立てて大きいほうではないだろうなと思う。他のものは チラーと流して シロイルカのプールへ。まだ30分近くもあったけど、動くのがいやで、座って待つ。
こういうところへは、子供をつれていろいろ行ったけど、一人できたことはない。・・変わったもんだ、俺も・・・と我ながら 苦笑。
小さい子達と若い親たち、孫を連れた爺さんたちの中に、おっさん一人というのもなんかなあ・・・。
しかし、水槽の前でボーっとしているのも悪くない。妙に落ち着くし シロイルカの遊んでいるのを、漠然と見ているのもどことなく楽しい。
しばらくして、お目当てのシロイルカのショーが始まる。
いろいろな芸を披露したあと、バブルリングも吐き出してくれる。
「ほう・・・これが、幸せのバブルリングか・・・」と
今年はオリンピックイヤーということで、看板娘のシロイルカが、なんと5回連続で バブルリングを吐き出すのを、見せてもらう。これで 5倍幸せになるかも・・な。
とにかく久しぶりに、和やかな雰囲気に浸りきり、ヤンヤの喝采を観客から受けるシロイルカを見て 水族館を後にする。
再び、誰も歩いてない遊歩道を歩き、波子駅に戻る。誰も客はいない。松江へ戻る。
しんどいので、ホテルのベッドにもぐりこむ。
明日はいよいよ、木次線と 「延命水」
<つづく>
バブルリング
出かける前
「下関周りで、ぐるっと周ってくる」
というと かみさんが
「それじゃあ、バブルリングも見てきたら?幸せのバブルリングというらしいから・・」
と教えてくれたので、向こう周りの設定で行くと シロイルカのバブルリングも見ないといけないしなあ・・・と考える。
バックからメモ帳を出して、本来行ってるはずの予定表を眺めると、イルカのショーは、午後1時半となってる。駅から歩いて10分ぐらいとして・・時刻表を逆に追っていく。
シロイルカのショーをやってる アクアスという水族館は、浜田の少し手前の 「波子(はし)」という駅で降りるんだけど・・・・・。特急で行けば、世話ないのだが・・鈍行で行くと出てきたからなあ・・・
ちょっと考えてたけど、聞いたほうが速いと思い、改札口の駅員さんに聞く。時刻表とパソコンの画面を見ながら
「うーん、朝一で行ったとして、米子から出雲への各駅の接続がない・・からねえ、波子に 1時までに着くというのは難しいね。特急でも使わない限り。。」と言われ思案。。
「じゃあ、特急の時間見ますから、もう一度時刻表見せてください」と時刻表を眺めると確かに、米子・出雲間の接続がなく、出雲・波子はちゃんと12時半前につくようになってる。
??変なの?と思ってみていると、米子・出雲間の接続を特急で走れば、ちゃんと接続ができるではないか・・
後から来る 岡山発のやくも1号に米子から出雲まで乗れば、後はまた各駅で 波子まで 余裕で行ける。。
駅員にそういうと
「それがええわ、それで行ったら。」と
で 一部 特急を という禁じ手を使って 朝一 の伯備線 米子行き 5時28分に 乗りました。
<つづく>