焼山寺行き その2

病院から帰ってきて、結局昨日土曜日まで、寝たり起きたりのぶらぶら生活を送っていた。まさかあそこまで急激に血液検査の結果が変わるとは思ってなかったから、
「こりゃあ、いかん・・」とすぐ休養に入ることにしたのであるが、ほんとこの2日はしんどかった。水も1日2Lほど飲み、必死で排尿に励んでいた・・。何とか今朝あたりから、体調が戻ってきたみたいで。。
 しかし、「歩き」の焼山寺は、聞きしに勝るキツサでねえ。
焼山寺行きは、バスツアーで参加した。水曜日で、前日からの天気予報では雨ということで、雨具を用意したりして・・・多少に不安を覚えながらの参加でした。
 退院以来、ほとんど運動もしていなかったけれど、今までの歩きから見て軽いだろうと実際、タカをくくっていた。。
インターでバスに拾われたのは、6時半ごろ、焼山寺への歩きのスタート地点 11番藤井寺に着いたのは、8時前で、それから歩き始めた。
▲ 行程は
 11番藤井寺→長戸庵→柳水庵→浄連庵→12番焼山寺→杖杉庵→なべいわ駐車場 予定では約7時間
 の約16km
 吉野川市主催の 空海いやしの道のウォーキングイベントとほとんど同じ行程ではあるのだが・・
 空模様を気にしながら 藤井寺で朝の勤行をして、歩き始めたのだけど・・・なんと本道の横に焼山寺への道があるんだねえ。。ちょっとこれには驚いた。
歩き始めてすぐ土の山道は、急激なのぼりになり10分もしないうちにバテテしまった。。何をかいわんや・・である。呼吸も荒く膝がガクガクし始め、あっという間に隊列から遅れる。
 今回の歩きツアーの参加者は 20名足らず。。先達を含めてサポートしてくれるバス会社の社員が6名。バスが入れそうもない道ばかりなので、遍路道と交差する林道を走りながら、リタイアする人間を拾ってくれる小型車が平行して走ってくれている。ツアーはバスとその小型車1台という構成。
ですでに私が遅れ始め最後尾となり、二人のバス会社の社員が私の後を歩いてくれた。今回、あわてたのかデジカメを持ってくるのを忘れてしまった。忘れてなくても、バチバチ撮る余裕はなかったかもしれない。
それでも 最初の休憩場所 長戸庵には、皆から2.3分の遅れで着いた。
 この長戸庵でも 藤井寺から高低さ 420m 距離3キロ余りある。。
遍路ころがし
長戸庵を出るとき、バス会社の人が先達の後を歩くと楽だからと進めてくれるのでそうしたのだけれども、歩き始めて5分と持たず、また最後尾まで下がってしまった。
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 この焼山寺への 遍路道は 昔のままの遍路道としては最後のものだといわれているんだそうだ・・たしかに・・・
 柳水庵には、皆から遅れることなく着く・・・ここで番外ながら 勤行と昼食。長戸庵からの高低差は一度上って降りてるけど、最初の上りほどきつくなく少し楽。空模様を気にしながら歩く余裕も少し出る。柳水庵は標高550m。
昼食後出発するときに、バス会社の人たち一同口をそろえていう。
「今からが、相当きついですから、無理だと思ったら車もついてますから・・」という。私のことかいな?・・と思ってると、一人男の人がここでリタイア。
 次の浄連庵との高低差200m 距離2kあまり
歩き始めは、緩やかな上りで、そうは苦にならなかったのだけれど、半分を過ぎたあたりから、急に上りの角度がきつくなり・・膝が上がらなくなり皆から、あっという間に遅れ最後尾を歩き始めるが、見る見る前の人の姿が見えなくなる。それでも後ろを歩いてくれているバス会社の人が
 「もう少しですから・・マイペースで。。」と励ましてくれる。
 肩どころか、体全体で息をしながらやっと浄連庵の階段にたどり着く。
見上げると階段の上に弘法大師像が・・
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一本杉と弘法大師像
 浄連庵の勤行を終え、いざ「遍路ころがし」
標高750mから400mの集落まで 一気に降りる。この急角度のくだりは、お遍路さんが転がるように降りていくことから「遍路ころがし」といわれるようになったとか・・。
 それから720mの焼山寺まで急角度の上りをあがることとなる。
 まあ、しかし歩いてみればわかるけど、石と岩の急角度の下りだから、スベルは怖いは膝はガクガクで・・・
 集落までは30分ぐらいでなんとか降りた。
 少し休憩して、最後の焼山寺への道である。
 「ここが最後の決断ですよ!今度は最後まで車と合流できる場所がないですから・・」とまたバス会社の人。
 うーん、俺のことかいな・・
 ここでまた一人女の人がリタイア。
 歩き始めて畑で 不思議なものを見つける。
奇妙なものが、竹にぶら下がっている。
 「狸ですよ・・」とバス会社の人
 「へえ?なんで?」「なんでしょうね?おどしかなあ?」
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 と携帯で撮っている間に、すでに皆からは遅れてしまっている。
あわてて後追ってたら、社員と引返してくる女の人に会う。
 「決断か・・・・」と思うも、ここまできたのだから・・行かにゃ・・
 上りしかない急勾配の石ゴロゴロの道である。
標高差320m 距離2k弱・・・滅茶苦茶きつい上りである。すぐに足が止まってしまった。雨もぽろぽろ降ってきた・・・後ろには、二人がついてくれてるのだけど・・・肝心の私の足が進まない。。汗でズボンが足にまとわりつき歩きにくいことこの上ない。
 「先に行ってください。ボチボチ行きますから」と後ろの社員に声をかけると
 「お客さんを放って置いていけませんよ、ボチボチ行けばいいんですから・・時間もありますから」と。
 それで少し休んで少し歩くという方法に変えてみた。これが意外に先に進む。焼山寺のすぐ下の参道で休憩している皆に追いついたのは、30分あまり遅れてである。前回プライベートで一緒に歩いた相方が、近寄ってきて
 「ツアーできて良かったですね、二人だと絶対リタイアしてましたねえ」
と笑いながら言ったけど、そのとおりだとつくづく思った。
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 今回のツアーの先達は、フィリップを使って説明してくれて、聞くだけではないから非常にわかりやすく非常に良く、感心した。
 お経の声の張りも調子もよく、相方に言わすと
 「歩きは俺も少し速いとは思ったけど、皆は平気な顔してついて行ってたから、あのぐらいがいいんではないかな・・俺たちが修行不足・・ということよ」
 私は、なんせ30分遅れだから・・・
この人は バス会社の社員で、営業じゃなく事務方というのにも驚いたけど・・
焼山寺本堂
焼山寺を出て、最後の下り、まあ後は帰りのバスのところへたどり着くだけだから、下りがきつい、遍路ころがしだ!といっても気は軽い。
雨足が少しきつくなったころ杖杉庵にたどり着き、ほぼこの日の日程は終了した。
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▲リタイアをホント何度考えたことか・・リタイアしてたらそこで 「歩き」がそれで終わってしまってたわけで・・どうしても止めたくなかった私にとっては、このツアーのスタッフは良かった。最後までせかすことなく歩いてくれたことは随分助けになった。
 この せとうちバスの「歩き遍路ツアー」には感謝したい。