雪と風

 夜中から、強い風。明けてから雪。
 珍しい大晦日でアル。とんと記憶にない。
特に雪は・・・・。去年は暖かく、歩きに出ていたけど今年はそういう気さえも 起きようがない位寒い。
できれば、歩きに出てせめて内子ぐらいまでぐ行っときたかったんだけどなあ。。

つらつら思うのだが・・

 歩き遍路を始めたのは、去年の春からで・・・やはり体力に不安要素いっぱいだったから、最初は 歩き遍路ツアーで参加し、秋まではそのツアーにお世話になっていた。
 四国には、歩き遍路バスツアーなるものがあって、歩き始めと歩き終わりの地点までバスで送迎してくれ、添乗員が先達の役目をして一緒に歩いてくれるというツアーが、数多くある。

 しかしこのツアーには欠点が3つあって、まずマイクロバスで行くから 14.5人で・・遍路道をぞろぞろ歩くわけで・・まあ学校の遠足みたい、よく言えば時代劇に出てくる講みたいなんだけど・・・このペースが一番遅い人に合わせるから、どうもしっくりこない。(と言っても、山道では私が一番遅かったわけだけど)。
 二つ目が、日程の選択の余地があまりないのと、最低でも1ヶ月前に予約しないとダメだから私のようなサラリーマンではない人間には、日程が決めにくい。(急に仕事が入ることが多いから・・)
 三つ目が意外と費用がかかるということ。自分で一人歩きしだして初めてこれに気がついた。
 一見 歩きツアーの方が安く上がりそうなのだが・・、3日ぐらいで歩きに出ると意外やツアーより安く上がる。ツアーの場合、日帰りが大半なので毎回近くても遠くても、往復の費用が一定額計上されるし、どうしても1日の歩く距離が、その時間から長くても20キロ前後になってしまうから思ったより効率が悪い。
単純計算で行くと、88箇所約1600キロを簡保するにはこの計算でいくと 70回ぐらいは行かないといけないから、1回1万円として約70万円かかることになるから、そう安い費用だともいえない。
 では、一人で歩きに出るとどうか?。個人差は相当あると思うけど、一般的に言われてることは、2ヶ月もあれば周れるだろうということだから・・・。

 で、以上のような理由で去年の年末から、ひとりで歩き始めたのだけど・・・
最初は、ひとりで歩けるのだろうか?という不安感いっぱいだったし、20キロ歩くのが精一杯だったのだけど、今や40キロだったら何とかというところまできたし、なにより自分でも気がつくぐらい体力が回復してきたような気がする。何も考えないで 1日じゅう歩いているというのが体力的にも気分的にもいいのかもしれない。
 年末までに、もう一回歩きに出たいと思ってるのだけど・・・ちょっと歩くには寒くなりすぎという感もあり・・去年の年末は、とても暖かかったんだけど・・。

定期診察

  昨日、定期診察に行ってきた。
実は先週の金曜日に、今月は何時?だったのだろうか?とふと思い出し、予約表を探したのだけど見つからず、多分今週の木曜にだろうと思い・・・月曜日に確認してみようと・・・。
 で今週の月曜日に大学病院にtelしたところ
「先週の木曜日に、なってますけど・・・」と言われ、大慌てで急遽昨日大学病院へ。

 まあ、忘れるぐらいになったのだから気持ち的にはいいのかもしれないけど、これがボケのはじまりだとちょっと困る・・などと考えながら診察。
 数値的には、あまり変化がなく クレアチニンが誤差の範囲内で少し悪い。
「これからは、腎臓に気を付けてかないと・・・」
 と担当医の忠告をうけて帰ってくる。

▲血液検査の結果
 cre 1.6 bun24 尿酸値 8.6

 ☆閑話休題
 歯長峠の話を 帰ってきて目上の人や知り合いに話すと
「むかしはな、それをたぬきに化かされたと言ったのよ・・、だから山に行く時にはな、たぬきに化かされんようにな!というて送り出してたもんよ。」と言われた。
・・ほう、なるほどそうなのか・・と、少し納得。

12月6日(日)
 朝、7時前 宿を出がけに、昨日遅くついた女のお遍路さんと宿の主人の会話を聞き、びっくりする。彼女は、なんと昨日39番延光寺から 来たというのだ。松尾峠を越え 観自在寺をお参りし、柏坂を越えて来てるから、少なく見ても50キロ・・・・・。あの、二つの峠を越えてなんて・・すごい。
 ひえーっとホント驚いてしまったんだけど、同時に宿を出て歩き始めて、岩松川を渡った後、私の視界から消えるのに 3分もかからなかったから、そのぐらい歩けても不思議じゃないけど・・・。


 ちなみに「今日はどこまで?」と聞いたところ
「43番明石寺行って、卯之町まで」・・・だそうで・・こちらは口を開けて驚くばかりでした。

宇和島に入るには、宇和島松尾峠という遍路道を通らないといけないのだけれど、昨日の柏坂の下りで、古傷の右膝を痛めてしまい、昨夜からチクチク痛み出しているので、山越えする自信がない。で全長1.7キロの松尾トンネルを歩くことにした。

 

宿の主人いわく
「トンネルは、排気ガスがひどいけど、今日は日曜日だし 8時までに抜ければ、しんどくないですよ」
とのことで、トンネルの入り口に着いたのは7時半過ぎ。この入口手前に上記の遍路道との分岐の道標がある。
 ・・あの、女の遍路はもう頂上ぐらいかなあ・・と思いながら、松尾トンネルを足早に通り抜ける。
日曜日だけど、1.7キロのトンネルの中の排気ガスはすごかったです。少し濡らしたタオルで覆面をして歩いたので、だいぶ楽だったけど、マスクもなしで歩くととてもじゃないだろうな・・

 宇和島駅までは、ほぼ平坦で馬目木大師を経由して、着いたのが10時過ぎぐらい。
 平地歩きは早いのだ。
で今回はこれで、打ち上げ。次回は卯之町からのスタートになる。
 今回、歩いて思ったこと
 ・・・弘法大師が、初心者は横着せんと順番通りまわりなさい!と戒められた・・
 ということなのかと反省。

☆今日のログ
 朝出掛けにスイッチ入れ忘れる。どうとかならんかなあ・・・この物忘れのひどさ。。

 岩松から宇和島駅

 トンネルを通り 馬目木大師だけ寄って、直行すると こんなもんで来れる。うーん、やっぱり今回は、立案みすだなあと・・・。
まあ市内をあちこち見ながら歩くとこのぐらいがいいのかもしれないが・・。

 今日の歩行距離 約16キロぐらい

◆昨日、お遍路に出た大リーガーの岩村選手は、歩き遍路ではなかったようです。車でした。テレビのニュースでやってましたけど・・・。ま。当たり前か。

12月5日 柏坂へんろ道

 12月5日(土) 天気予報では曇り雨。また雨の中の歩きかよ・・・と空を見ながら朝7時前に、観自在寺近くの宿を出発。まだ薄暗い。
  8時ぐらい前から急に空が晴れてきて一安心。
国道56号線の歩道は歩きやすく、結構アップダウンのある道なのだけど、順調に足は動く。
柏手前の室手海岸に出ると視界がバーンと広がり爽快。

9時半過ぎに 柏の交番前から 柏坂へんろ道へ入る。順打ちは 矢印が手前にあるから、迷うこともなく楽。

で、ここからが段だらだらだら上りがずーと続くのである。
このへんろ道には、野口雨情の歌碑が頂上へ行くまで、この上りの山道の苦しさを和らげようとたてられてある。
 峠の清水大師までに8つあった。その中で

松の並木のあの柏坂 幾度涙で越えたやら   野口雨情

 この歌がほんとこのきつい段だら坂を現してていい。
ただ 松の並木というほどの松ではないので、当時はもっと松並木がこのへんろ道にあったのかもしれないなあと思いながら、上がっていったのだけどなかなか頂上までたどり着かず閉口。

清水大師を抜け、見晴らしのよい展望台に出たのが、12時ぐらい。登り始めて 約4キロを2時間半。のぼりの苦手な私には、まずまずか・・・・。

室手海岸で見た景色を、上から見てるという感じ。この頃から雲ゆきが怪しくなる。

で、ここからの下りがまただんだら坂で、石が多いし山水で真ん中がえぐられた道ときているから歩きにくい。それが延々4キロぐらい続く。そのうちパラパラと降りだしたから、滑りやすいから閉口。
民家の見える平地に下りたのが1時過ぎ。歩きにくいといいながらも下りはやはり早い。この頃になり雨も上がる。

それから川沿いに歩き、国道56号線を渡り、整備された舗装のへんろ道を歩く。ほぼ自転車道かと思われるほどきれい。
 岩松の大畑旅館に着いたのは、4時前。今日は早い。冬場の歩きはこのぐらいに着くのが理想なんだけど・・・。
 この大畑旅館は、獅子文六が 「てんやわんや」 を執筆したところとして知られているので、一見してみたいと投宿。

さすがに、当時の面影を残すだけに古いのは否めないが風情はある。

ロビーに獅子文六の写真が飾ってあった。でその横にある色紙は 大リーガーの岩村選手のサイン。
 なんと 彼の公式ブログによると この12月15日から お遍路に出るとのこと。ん?明日じゃないか・・。奇しき縁・・・

というわけで 逆うちから順打ちへの2日目でした。

▲柏坂のログ
またもやスイッチ入れ忘れの途中電池切れ、柏坂のぼりで気づくという・・あいも変わらずのいい加減さ・・・この物忘れのひどさを解決せにゃ・・



本日の歩行距離 約28キロぐらい

43番明石寺 逆打ち顛末記

 12月4日(金)から6日(日)までの3日間で、前回打ち終えた 40番観自在寺から43番明石寺まで 63キロの道のりの歩き遍路に行ってきた。
 この距離感だと 2日かなあ?という雰囲気もあるのだけれど、いろいろ調べたり聞いたりしてみると 御荘町から津島町への峠 柏坂が結構きついらしいとの事だったので、3日間とした。
 40番観自在寺は 1番霊山寺からは1番遠い位置にあるとされている。ということは、私のうちからも交通の便は悪いわけで、散々考えた挙句
 「43番から、逆打ちをしよう」と決めた。
 初日、卯之町 43番明石寺 42番仏木寺 41番龍光寺 を回って 宇和島どまり。2日目は岩松どまり、3日目は柏坂越えで観自在寺、という予定を組んだのだが・・・・・いざ歩き始めてみるとこれが大変な落とし穴が待っていたのであった。

 12月4日 朝9時過ぎ 卯之町駅に到着。卯之町の昔ながらの街並みを縫うように歩くと 高野長英の隠れ家があった。
 「へええ、こんなところに隠れてたのか?」とちょっと驚く。

この頃の南予は歴史の表舞台にちらちらと顔を見せていたのか・・・と思わせるなあ。
この路地を抜けて 聾学校の横の小路を上がっていくと 43番明石寺。

 まだ多少紅葉がのこり・・・・・

寺について、GPSロガーの電源を入れてないのに気づく。このポカが多いなあ。

参拝を済ませ、いざ42番仏木寺へ歩き始めたのはよいのだけど、参道を下りたとたん道標らしきものがない。はて、困ったぞ!とこの辺りからいやな予感。
 高速道路の工事に伴い、大きい道路がバンバンできているものの、道標が見つからない。たまたま通りがかった電力の叔父さんに聞く。親切に教えてくれるものの、実際歩いたことがないから(まあ普通の人はそうだねえ)小路に関してはあやふや。少し先までの道はわかるというのでその辺りまで教えてもらい歩く。
 12月に入ってるから、極端に歩きへんろの人は減ってるし、まだ午前中だから来る歩き遍路には会わないから、聞くことすらできない。
 しばらく歩いて宇和球場に出たところで迷う。たまたま通りかかった地元のおばさんにへんろ道に出る路地を教えてもらい、ほっとする。

宇和球場沿いの土手にあるへんろ道の道標
で、民家の間を縫って県道へ。
 宇和町下川の県道31号線の橋を渡ってからが・・・・大変だった。
橋を渡ってしばらく行くと 歯長峠へんろ道への入り口なのだが、ここで道路の擁壁工事もあって入り口がはっきりわからなかった。最初入った道は20分ぐらいあがったところで行き止まりになり、引返して元のところへ戻り現場の人に聞き
 「ああ、へんろの人ならあそこからようおりてくるわなあ」と指差す小橋から入ったものの、この中の道しるべが見つからず、この山の中で 小一時間ほど迷ってしまい途方にくれてた時、やっと順打ちのお遍路の姿を木陰越しの眼下に見つけ、ほっとして道を教えてもらう。
 「逆うちですか?」と問い聞かれ
「そうです・・初めてで逆うちで迷ってしまいました・・・」と苦笑いすると
「ええっ・・・・それは・・・」と呆れてました。
ーーたぶん、無謀な・・・・という言葉がでかかったのでしょうが・・・・

 これが、その時のログ 明石寺から逆打ち 
この山の中での迷走ぶり・・・・後から見ればぞっ!とする。

 その日に泊まる宿は、大体昼ぐらいに予約するのだけれど、今日は山の中をさまよってたから今からなのだが、すでに2時をまわってる。あいも変わらずIPHONEは圏外。その上、この逆うちで、へたすりゃ道に迷って・・・・よくニュースで山菜取りで遭難なんて耳にしてたのだが、まさか自分がこんなところで道に迷うなんてこと思いもよらなかったし、あそこで白装束見なかったら・・・てことになるかも知れないという不安感が募り、思い切って宇和島まで歩き、駅前か、便と宿があれば御荘町まで行き順うちに戻ることにしよう!と決め、足早に仏木寺へ。

 ここから 仏木寺の道も凄く、逆うちでくだりになるのだけれど、順打ちだと相当きつい上り、何しろ鎖がある急勾配。やっと仏木寺にたどり着いたのは 3時過ぎ。

 仏木寺には、七福神の石像があり
  「へえ・・・」と驚くばかり。お寺に 七福神ねえ・・

平地に下りてきてやっと IPHONE 始動。
御荘町 40番観自在寺の門前の宿がとれる。宇和島駅まで歩いて、最終バスでこれなら行ける。

 境内で女のお遍路さんに、歯長峠への道を聞かれあれこれ話をしているうちに、寺を出たのは4時ぐらい。
 41番龍光寺までは 2.6キロ。5時までに入らないと御朱印をもらえないから足早に歩く。今が一番陽が短く、歩道沿いにはコスモスがズーッと植えられているのだけど、時計と睨めっこで気もそぞろ。

 ところがここでも、逆うちを選んだ浅はかさが出る。龍光寺への入り口がわからない。通行人も見当たらず、看板探しながらうろうろするも道しるべはなし。そうこうしてたら、下校中の男の中学生に会い、懇切丁寧に道を教えてもらい、事なきをえる。宿毛でもそうだったんだけど、結構男のこの方がこういう場合役に立つ。
 龍光寺に入ったのは、4時40分ぐらい、ぎりぎりセーフ。

必死で歩いてきたので、凄い格好。

 お寺で県道へ出る道を聞き、出たのは5時ぐらい。あっという間に陽は落ち、周りは真っ暗。
57号線をひたすら宇和島駅を目指して歩く。
 前々回足摺岬から打戻りで久百々まで歩いた時も真っ暗だったなあ・・・と思いながら歩く。
逆うちは、ちょっと・・・という思いが何とか宇和島駅まで足を持たせた。
 宇和
島駅に着いたのは8時前。平城札所前にバスで着いたのは9時過ぎであった。

    GPSロガー最後の方電池切れ・・安物は・・
 
今日の歩行距離 約30キロあまり (迷走分含む)
          ・・・・・・・・つづく