送り火

送り火 という言葉があるが、このあたりでは 明確な送り火をしているのを見たこともなく・・送り火に関する習慣はどうも確立はされてなさそうで。。
 去年のクリスマスにいただいたartflowerがいまだに店頭を飾っており、なぜかというと 気に入ってるから・・・当たり前か・・
 でそれには、当然クリスマスのときに頂いた物だから、真ん中に大きなろうそくがアレンジされている。
 なんか妙にそれに火をつけたくなり、昨日からそのろうそくに火をともそうとしたのだけど、なかなかつかない。
 「おい、これろうそくか?」とかみさんに聞くも
 「そうよ、まちがいないよ」というので、何回もつけようとするのだけれどつかない。よく見ると芯が極端に短い
 「これ芯が短いぞ・・・」というと
 たまたまそこに入ってきた知人が
 「その芯の周りを溶かして芯を出せば?」というので
 それから1時間あまり悪戦苦闘するも なかなか芯が出てこず、さじを投げる。
 今日の昼、再び現れた知人、ろうそくをみながら
 「あれ?だめだったん?」
 「そう、なかなか出なくてねえ・・・これ難しいよ」と私。
 話を聞きながらろうそくを眺めていた知人、何を思ったかろうそくを持ち上げ、ひっくり返した。
 そしたらなんと
 「こっちが上、ほれ・・芯がある」
 「げっ」とそのひっくり返されたろうそくを見ると、なんとしっかりした芯が長くひょろひょろと出ている。
 私の驚くかおを見て、知人は 吹き出しそうになる口を押さえて、脱兎のごとく帰っていった。。
 今頃、げらげら笑ってんだろうなあ・・と思って かみさんの方をみるとかみさんも口を押さえて げらげらと笑ってる。
 ばつが悪いったら ありゃしない・・
 でそんなろうそくに火をつけてみました。

   あのままじゃあ 悔しいので、その知人にこの画像を送ると
  「素敵な送り火じゃないですか」 
 
    という気の利いた言葉
    「・・送り火か・・・」
 怠惰な息子に送ってもらいたかったのかね・・・
 芯出るまで1日かかって、ちょうど16日になったものなあ・・
 となると、上下さかさまを発見してくれた知人に感謝すべきか。。
 △ 一人で悦にいってろうそく眺めていたら、どうもけだるい。
  ちょっと体が汗ばんでいる。
 久しぶりに 熱が出てきたみたい。
 37度を越えてきたみたい。夏風邪か・・・
 いやだなあ・・
 
 ここんとこ、野暮用で忙しかったからか。。
  
 

迎え火

昨夕 6時ごろ、お墓で迎え火をたく。
かみさんと親戚3人と私の5人。
行く前あたりから 少し風が吹き出してきていた。
案の定、迎え火をおこすのに四苦八苦。
焙烙(ほうろく)」と呼ばれる素焼きの皿の上に、108本のオガラを 井型に積んでわらで火をつけるらしいのであるが、このオガラが軽いのでうまくつみあがらない。五段ぐらい積み上げたところで、折から吹く風とあいまってすぐ崩れていく・・・
 「これ・・ボンドかなんかでひっつけないと崩れてしまって、108本もできんなあ・・」と私。
 「こんなんだったら、最初からつんで固めたものを売ったらええのに・・」とかみさん。
 これは 迎え火セット ととして仏具屋に売ってたものを 買ってきたのである・・。
 「それ、1本ずつ積み上げるから・・前部積み上げてみろ 4.50センチにはなるぞ、そななことできまいや?束で重ねたらえんじゃ」
 と見かねたかみさんの義父。
 なるほど・・亀の甲より年の功・・・
というわけで 4.5本の束で積んでいく。
それでも風で すぐ崩れそうになる。それでも何とか積み上げたオガラは、井型とは程遠い格好に・・・
 「ええやんええやん、しゃあないしゃあない・・それらしく見えればええ」
と わらで火をつけ 竹をくべる。
 竹が ポンとはじければ いいのだそうだが・・・
 プシュッという ひねた音が最初に出たまま・・で、ポンと言う威勢の好い音は出ないまま オガラは燃え尽きてしまった。
 ---まあ、親父らしいわ、ハスに構える人だったからなあ --
 と苦笑い。このセットには、竹がはじけない場合は、手を2度たたいてくれ と書いてあったので、念のため 手を2度たたいて 「迎え火」 を 終える。
 「もっと大きい青竹を もってきてやらば良かったなあ・・ほしたら、勢いよう、鳴ったかもしれんのに・・」と義父。
 ・・ それを気にしてもらえるだけ、ありがたいことで ・・

新盆

2月に他界した父の新盆である。
新盆を迎えるにあたっては、いろいろしきたりがあるらしく、8月になって右往左往する始末・・・
 最後まで父とは 意志の疎通がなかった。
本人も まさか死ぬとは思ってなかったからか・・
父の心を覗くことはできなかった。右足と両手はリューマチで、自由に動かすことができない状態で、不自由を承知で一人暮らしをしていた。
 母は、介護施設に2年ほど前からお世話になっている。
母は、それ以前から体が悪く、病院を転々としていて、最後に今の介護施設に・・・。
 私が、大学病院に転院するとき、
 「もう、だめかも知れない・・お袋のことも面倒見れないかもしれないから、覚悟しておいてくれ」と、電話で言ったら
 父は、一言
 「わかった」 とだけ言った。
 私が大学病院に、入院している間、一度も父が顔を見せることはなかった。
 一時退院とかで私が、実家へ顔を見せに行っても、父とはあまり話すこともなかった。
 さすがに私も、移植前に親が顔を見せないのには、がっくりきたものだけど・・
 退院しても、あまり話することもなく、お袋の病院の転院も介護施設への入所も私には一言の相談も報告もなく父がひとりで不自由な体でやった。
 
 あの時、父の中では 息子は死んでしまったのかもしれない。
 治るやら治らんのやらわからん息子を待つより、自分が妻の面倒を見ないといかんという気持ちが強かったのか・・
 
 と最近思うようになった。
 
 明日、お墓で迎え火をたく。。
 

奥出雲おろち号と延命水

トロッコに乗る今の今まで、亀嵩で降りてゆっくりそば食べて・・・横田でもおり・・もののけの・・なんて、考えていたのに・・一転、3段スイッチバックオンリーの頭になってしまって・・・根が単純というか・・
 木次線は 出雲神話伝説と深くかかわっているところで、去年の秋あたり(?)から、各駅に ヤマタノオロチ伝説にちなんだ 名前がつけられた案内板をたてている。
  ちなみに出雲三成は 大国主命(おおくにぬしのみこと)

 出雲坂根にある延命水は 100年以上も生きた狸が飲んでたというので、長寿・延命に・・・という言い伝えがある水になったとか。。
 なかなか 吹っ切れたようで吹っ切れないもので・・今回の主たる目的。
 「延命水」を飲む・・ の出雲坂根に 到着
 到着する前から 乗客の皆さんは ペットボトルの中身を空けて 2.3本抱えている。停車時間は 6分。
 私はというと・・もう一度戻ってくるから 汲むのはその時でいいか・・
 と 手ぶらで降りる。
 みんな群がるように、延命水のところに集まっている。

 口に含むと重い。硬いのかなあ・・硬水・・でもうまい。
 「延命」という言葉の持つ雰囲気とこの水の感触が、なんとなく一致する・・。不思議な時間。
もっとゆっくり水の感覚を味あう余裕もなく、発車にあわせて列車に戻り、いざ三井野原へ。。
 動画  出雲坂根に入るところから 3段スイッチバック

 これねえ・・・出雲坂根からバックで出て行くんですねえ オモシロイ。。運転手さんが後ろを見ながらバックしている、一般的に最近の列車でスイッチバックといえば、運転手が前後ろの席を移動するんだけどね。皇族の普通電車のときも、運転手が席を移動したからね。
 2段目のスイッチバックのところは、トンネルのような屋根がある。から 吸い込まれていくような気がする。この後の普通電車にも乗ったんだけど、列車自体の長さが違うのと車高も普通の法が低いので、迫力もこの吸い込まれていくという感覚もしない。
 木次駅で 駅員さんが言ったとおり
 「迫力も乗ってる感覚も、ぜんぜん普通列車のとは違いますよ。乗り比べれば、その違いがわかりますよ・・」
 ホント全然違う!。 デジカメを回す気にはならなかった。

  備後落合にて オロチ号と備後線の 三好行き
 落合に着き、折り返しオロチ号で木次駅へ戻る。 
 オロチ号は 客車1両とトロッコ車両を引いている。
 客車の部分は、自由席なので 客車に移り 出雲坂根に戻る。

 逆回りの三段スイッチを経験。
三井野原側からは、低い位置への下りになるので・・豪快さはやはり上りの方かなあ・・・
 出雲坂根に着き、ペットボトルを持って、上り線路脇の延命水の水場に行くも車で来た人たちが、並んでいる。そうこうするうち、上り普通電車が入ってくる。上り電車のほうを見ながら、もう一杯延命水を飲み、ペットボトルに水を入れる。発車のベルが鳴り始めるのでキャップを閉め脱兎のごとく、ホームへ駆け上がるが、プシューという音ともにドアが閉まり、動き出そうとする。
 「これに乗り遅れたら、あんた・・帰れなくなる!」血相を変えて車体をたたきドアを開けてもらい、乗せてもらう。
 ふー。ばつ悪く乗客に頭下げる。冷や汗たらたら。
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 <下りホームのオロチ号 上りホームの1両の普通電車 出雲坂根>
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  <右手ホーム手前 延命水>
一両の普通電車は、端から端まで動くと 進行方向と両方が見えるから、スイッチバックの場合は、見やすい。が、いかんせん車高が低くて・・・迫力はない。

  <2段目 屋根つきスイッチバックの切り替えポイント。>

 定刻どおり、普通電車は備後落合に着き、新見行きに乗り換える。
 再びクーラーのきつさにおびえながら 新見で乗り換え岡山。
 そして 帰ってきた。
  延命水は 家族が一口ずつ飲んだら、無くなってしまった・・・
  「がぶがぶ飲むほどあったら、ありがたみがなくなるでしょ。」とかみさん。それも、一理・・・
  春かなあ・・・もう一度いくなら。。
     
    

木次線スイッチバックと延命水

翌朝、けだるさで目を覚ます。ちょっと寝なかったり、歩きすぎると翌日の回復力は極端に落ちるみたい。。
  今日は延命水か!と気合を入れる。
 せっかく来たんだから、宍道湖の周りも回ってと宍道湖温泉駅から一畑電車に乗る。

 乗ったものの、ベンチ型シートなので外が見づらい。朝からガラガラの車両の中で 一人だけ立って外を見るというのも・・・なんだかなあ。。
出雲から宍道湖へ、そして木次線へ。
木次駅から、10時発の奥出雲おろち号というトロッコ列車に乗る。
普通トロッコというと 列車の最後尾に付いてる遊覧車のようなものと想像していたんだけど・・・
 機関車はディーゼルでDD51という化粧直しした勇ましいもので、思わず「カッコイイ」と叫びたくなるような。。
 トロッコ部分は内装も綺麗な車両で、ちゃんと運転席がある。つまり 機関車が押すのである。ちょっとびっくりしたけど、よく考えてみたら、スイッチバックだから押したり引いたりするから不思議なこともないか・・・・
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奥出雲おろち号のトロッコ

奥出雲おろち号の機関車
木次駅のホームで 備後落合 での接続について 駅員さんに聞いていたら
「落合で 新見への接続待ち2時間ありますから・・そのまま待つのもなんでしょうから、これで出雲坂根まで引返して、後続の普通に再び乗って落合へ引返せば、待ち時間なく乗れますよ。その上、スイッチバックが3回経験できます。」と、なんと親切に教えてくれた。
「ほう、それじゃあ 3回も乗れるんか・・」とニンマリする。
つまり この奥出雲おろち号上りは、備後落合に12:08に着き、折り返し下りは 12:30に落合を出て 木次駅を目指すわけだが、13:12に出雲坂根に入り、その後そこに入ってきた 上りの普通電車が13:19分に発車するから、それに乗り換えれば再び 落合に戻り、新見行きに接続するというおいしい話。
これが 三段スイッチバックの最初の起点となる駅だから、面白いというか運がいいというか・・・
何でも訊いてみるものだし、駅員さんが親切に教えてくれたのには 嬉しかったなあ。
 定刻どおり出発した おろち号はトロッコを先頭にゆっくりと走る。
TOROXTUKO003
ボランティアガイドも乗ってきて・・・
GUID
                   <つづく>