歩き遍路 独り立ち

バス会社の 歩き遍路ツアーにこれまで参加してたんだけど、病気持ちの私には、付いていくのがやっとで、特に山は相当応えた。
21番太龍寺を過ぎれば、比較的平坦に違いないと思って、年末年始で歩いてみようと今朝1人で出てきた。
いつも付き合ってくれる相方は、年末仕事だということで、彼には悪いけど・・出てきた。
牟岐線新野駅で下車。同じ電車から降りた遍路は、私のほか男1女1。二人とも若い。歩き始めてすぐ、あっという間に引き離される。22番平等寺に着いたのは、昼前。すでに彼らの姿はなし。
周りに人影もなく、ゆっくりお参りをする。昨日、今日泊まるところを散々悩んだすえ、日和佐の薬王寺宿坊ときめた。何しろ20キロあるから、昼から歩けるだろうか?と思案したのです。が先を考えると薬王寺までは歩いてないと・・
平等寺を出発したのが、12時前。納経所で道を聞いて出発したのだが、行けども行けども説明してくれた突き当たりがない。不安になりつつ一時間程歩いて、畑仕事のおばさんを見つけ確認して、ほっとする。
それから、うっそうとした山道を抜け、やっと国道にでる。この国道のトンネルの歩道は、車道に線を引いてるだけだから、おっかなびっくりもので・・
昼からの20キロは、相当きつく、足はホント棒のよう・・
薬王寺に着いたのは、4時35分。ギリギリセーフ。
お参りして宿坊にやっとの思いで入る。足はマメだらけ・・
宿泊客は、六人。
歩きは私1人みたい。
何はともあれ、歩けたことに感謝。
薬王寺宿坊にて。

鶴林寺と太龍寺

昨日20日土曜日に、「あるき」のツアーに行ってきた。
つい先日の定期診察では、担当医にはおくびにも出さず・・・。
焼山寺に匹敵するといわれる鶴林寺と太龍寺。
行く前から、散々脅されたせいか、朝、バス停には遅れるわ、忘れ物はするわで・・
前回の雨中の、歩きから比べれば 快晴ぽかぽか陽気で意気軒昂のはずが。。
いつもどおり歩き始めは、快調・・・がすぐの急な上りで、またもや遅れ始めぜいぜい,はあはあと大息吐息・・・
それでも何とか。



 鶴林寺山門
昼食は、鶴林寺の段々の急坂を下りきったところの 小学校の廃校のあと
廃校の跡地というのは、こういう陽だまりのある日に訪れるとどことなくほっとする。


ほっと休憩したのもつかの間、太龍寺へ
西の高野といわれるそうで・・・
まあロープウエーがついているぐらいだから、坂のきつさはこの上なし・・
でも年末まで、ロープウエーが点検のため、運行休止で・・参拝者はまばら・・
あああ、しんど!・・・しんど・・

太龍寺山門
太龍寺は 呼んで字の如し 龍の彫り物が

私は辰年生まれなので・・暮れになって龍に会うとは、来年に向けて縁起がいいかも。。

太龍寺大師堂にて
で帰りに納経所を覗いていたら、ペットのお守りというのを売っていたので
ふく のために買ってきた。足型のペンダント風・・

ちょっと見えにくいけど・・・まあ似合ってるとしよう・・・
▲今回の行程
 前回のジョイント地点⇒水呑大師⇒第20番鶴林寺⇒小学校廃校跡地⇒第21番太龍寺⇒道の駅
 走行距離 15.9k

気温と・・・

思案しながらも、8日の土曜日に、歩きに行ってきた。
なんというか・・・日ごろの行いがよいというか・・・朝から、というより前夜から雨でした。
 「晴れの日ばっかりに、行っても修行にはならんでしょ」と、バス停まで送ってくれたかみさんが、ニヤリとしながら言った。
 「それもそうだなあ・・・」といったものの、晴れてるほうがいいわなあ・・。
 前回のジョイント地点、小松島の国道沿いのローソンから歩き始めたのだが、雨は一向にやむ気配もなく・・・気温も低い。
 ポンチョ着て雨の中を歩くというのは・・・学生時代以来で、最初のうちはなかなかなじめなかったのだが・・幸いにも風がなかったせいか、体にまとわりつくことがなかったので、直になれて
・・・これなら何とか 一日歩けるかも・・・と
 雨の中歩くのにうんざりしはじめた頃、18番恩山寺手前で「義経上陸の地」という碑をみつけ・・
 「へー、ここに上陸したんか・・」と先達に聞くと・・あれやこれやと教えてくれ、四国にいながら屋島しか・・記憶になく、へええというか・・知らなかったことを発見できて、歩くのも悪くないかと・・・

恩山寺についたごろが、雨の一番ひどい時で、お経上げるのにも四苦八苦。その上時間帯が朝10時ごろだったので、2.3台の観光バスの団体お遍路さんたちと出くわしたものだから、狭いお堂前で雨をしのぐラッシュとなった・・
面白いもんですねえ・・・テンポの違うお経があちこちで、少しずつ遅れながら輪唱のごとく、唱えられるのは・・・

恩山寺を出ると、「義経ドリームロード」と名のついた山道を通って、19番立江寺を目指す。
 「義経ドリームロード」は 小松島市内の 義経ゆかりの地10キロをめぐる道だそうで・・・
 義経は 釈迦庵から恩山寺へ上ったそうなのだけど、遍路道はその逆のコースとなっている。
で ---また、坂道かよ。。---と、いやな気しながら、雨でぐじゅぐじゅする義経ゆかりの「弦巻坂」を登った。
意外と登るというほどの高低差もなかったので、皆に遅れることなく付いていけてほっとする。

それから止むことなく降り続く雨の中、仏足跡のある釈迦庵、お京塚を経て立江寺へ向かう。

釈迦庵あたりまでは、山道であったが、後はあまり起伏のない道だったので、少々小降りになりつつあった雨にも助けられて、なんなくクリア。。

後は 次回のジョイント地点 20番鶴林寺ふもとの参道の民宿前まで歩くだけ。。
 歩くだけなので気楽に歩いていたら、最後手前の接待茶屋で、同行していたおばさんに声かけられた。
 「その、ポンチョいいですねえ・・・ずっと朝から気になってたんですけど・・・どこで売ってるの?」
 「これですか・・?これ、自転車用なんですよ・・長いでしょう?ズボンあまりぬれないんですよ」と初めて使ったんだけど・・教えてあげる。
 「そうでしょう?ずっと見てたんですよ・・それいいわね・・」
と生地を触りながら、おばさん。
 「どこで売ってるの?通販か何か?」
 「いえ、そこらのスーパー」
 「そう・・じゃあ、探してみみよう・・・でそれは?」
 ずっと話する間、私がイヤホンをはずしてたので、どうもそれも気になったようで・・
 で私が、ポンチョの前を捲り上げて見せると
 「あれまあ・・・それ・・ipod・・?」とそのおばさんの連れの女性。
 でその女性、呆れ顔で
 「聞きながら、歩いてたんですか?・・・遍路もかわったわねえ・・」と
 「そうなんです・・不謹慎きわまりないですが・・・」と私。
 
かくして今回は、さほど疲れもなく 18キロあまりを歩いて帰ってきた。
気温が低かったのと、大半が平坦路だったのが良かったのだろうが・・
次は 鶴林寺と太龍寺だからなあ・・・どうなることやら。。

いまさら

いまさら、一月以上前の「歩き遍路」の話をするのもなんなんだけど・・・次の歩きのご案内が来たもので・・・・思案しながら、振り返り。。
9月20日に、もう体も大丈夫だろうと思って歩きに参加したのだけど、やはりばててしまって、今現在までその疲れを引きずっている・・からねえ。。
でそのときの歩きは、15番国分寺と16番観音寺の中間点から歩き始めるというものだった。
行く前に偶々文芸春秋を読んでたら、 今年の春 作家の車谷長吉さんが 歩き遍路されたものの連載をされてたのを見つけ、3号に分かれてたのを一気に読んで、ニヤニヤしながら「ほほう・・・」と妙に感心してしまった。
その書かれてることが、ずっと頭に残ってるものだから、この日の歩きは、通過する道々、寺の門をくぐるたび、ニヤリとしてしまった。
16番観音寺 17番井戸寺と快調に歩いたのだけど、地蔵院で弁当を食べて、それから 旧遍路道の地蔵院越えの山道に入った。
これがねえ、たいした坂道じゃないのだけど、私にはとてもじゃにけど負担になったみたいで・・・
 


と言いつつ、明日、歩きにいってみようと思ってる。
天気も悪そうだし・・・・
結果次第で・・
周りかた、考えようか・・・

焼山寺行き その2

病院から帰ってきて、結局昨日土曜日まで、寝たり起きたりのぶらぶら生活を送っていた。まさかあそこまで急激に血液検査の結果が変わるとは思ってなかったから、
「こりゃあ、いかん・・」とすぐ休養に入ることにしたのであるが、ほんとこの2日はしんどかった。水も1日2Lほど飲み、必死で排尿に励んでいた・・。何とか今朝あたりから、体調が戻ってきたみたいで。。
 しかし、「歩き」の焼山寺は、聞きしに勝るキツサでねえ。
焼山寺行きは、バスツアーで参加した。水曜日で、前日からの天気予報では雨ということで、雨具を用意したりして・・・多少に不安を覚えながらの参加でした。
 退院以来、ほとんど運動もしていなかったけれど、今までの歩きから見て軽いだろうと実際、タカをくくっていた。。
インターでバスに拾われたのは、6時半ごろ、焼山寺への歩きのスタート地点 11番藤井寺に着いたのは、8時前で、それから歩き始めた。
▲ 行程は
 11番藤井寺→長戸庵→柳水庵→浄連庵→12番焼山寺→杖杉庵→なべいわ駐車場 予定では約7時間
 の約16km
 吉野川市主催の 空海いやしの道のウォーキングイベントとほとんど同じ行程ではあるのだが・・
 空模様を気にしながら 藤井寺で朝の勤行をして、歩き始めたのだけど・・・なんと本道の横に焼山寺への道があるんだねえ。。ちょっとこれには驚いた。
歩き始めてすぐ土の山道は、急激なのぼりになり10分もしないうちにバテテしまった。。何をかいわんや・・である。呼吸も荒く膝がガクガクし始め、あっという間に隊列から遅れる。
 今回の歩きツアーの参加者は 20名足らず。。先達を含めてサポートしてくれるバス会社の社員が6名。バスが入れそうもない道ばかりなので、遍路道と交差する林道を走りながら、リタイアする人間を拾ってくれる小型車が平行して走ってくれている。ツアーはバスとその小型車1台という構成。
ですでに私が遅れ始め最後尾となり、二人のバス会社の社員が私の後を歩いてくれた。今回、あわてたのかデジカメを持ってくるのを忘れてしまった。忘れてなくても、バチバチ撮る余裕はなかったかもしれない。
それでも 最初の休憩場所 長戸庵には、皆から2.3分の遅れで着いた。
 この長戸庵でも 藤井寺から高低さ 420m 距離3キロ余りある。。
遍路ころがし
長戸庵を出るとき、バス会社の人が先達の後を歩くと楽だからと進めてくれるのでそうしたのだけれども、歩き始めて5分と持たず、また最後尾まで下がってしまった。
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 この焼山寺への 遍路道は 昔のままの遍路道としては最後のものだといわれているんだそうだ・・たしかに・・・
 柳水庵には、皆から遅れることなく着く・・・ここで番外ながら 勤行と昼食。長戸庵からの高低差は一度上って降りてるけど、最初の上りほどきつくなく少し楽。空模様を気にしながら歩く余裕も少し出る。柳水庵は標高550m。
昼食後出発するときに、バス会社の人たち一同口をそろえていう。
「今からが、相当きついですから、無理だと思ったら車もついてますから・・」という。私のことかいな?・・と思ってると、一人男の人がここでリタイア。
 次の浄連庵との高低差200m 距離2kあまり
歩き始めは、緩やかな上りで、そうは苦にならなかったのだけれど、半分を過ぎたあたりから、急に上りの角度がきつくなり・・膝が上がらなくなり皆から、あっという間に遅れ最後尾を歩き始めるが、見る見る前の人の姿が見えなくなる。それでも後ろを歩いてくれているバス会社の人が
 「もう少しですから・・マイペースで。。」と励ましてくれる。
 肩どころか、体全体で息をしながらやっと浄連庵の階段にたどり着く。
見上げると階段の上に弘法大師像が・・
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一本杉と弘法大師像
 浄連庵の勤行を終え、いざ「遍路ころがし」
標高750mから400mの集落まで 一気に降りる。この急角度のくだりは、お遍路さんが転がるように降りていくことから「遍路ころがし」といわれるようになったとか・・。
 それから720mの焼山寺まで急角度の上りをあがることとなる。
 まあ、しかし歩いてみればわかるけど、石と岩の急角度の下りだから、スベルは怖いは膝はガクガクで・・・
 集落までは30分ぐらいでなんとか降りた。
 少し休憩して、最後の焼山寺への道である。
 「ここが最後の決断ですよ!今度は最後まで車と合流できる場所がないですから・・」とまたバス会社の人。
 うーん、俺のことかいな・・
 ここでまた一人女の人がリタイア。
 歩き始めて畑で 不思議なものを見つける。
奇妙なものが、竹にぶら下がっている。
 「狸ですよ・・」とバス会社の人
 「へえ?なんで?」「なんでしょうね?おどしかなあ?」
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 と携帯で撮っている間に、すでに皆からは遅れてしまっている。
あわてて後追ってたら、社員と引返してくる女の人に会う。
 「決断か・・・・」と思うも、ここまできたのだから・・行かにゃ・・
 上りしかない急勾配の石ゴロゴロの道である。
標高差320m 距離2k弱・・・滅茶苦茶きつい上りである。すぐに足が止まってしまった。雨もぽろぽろ降ってきた・・・後ろには、二人がついてくれてるのだけど・・・肝心の私の足が進まない。。汗でズボンが足にまとわりつき歩きにくいことこの上ない。
 「先に行ってください。ボチボチ行きますから」と後ろの社員に声をかけると
 「お客さんを放って置いていけませんよ、ボチボチ行けばいいんですから・・時間もありますから」と。
 それで少し休んで少し歩くという方法に変えてみた。これが意外に先に進む。焼山寺のすぐ下の参道で休憩している皆に追いついたのは、30分あまり遅れてである。前回プライベートで一緒に歩いた相方が、近寄ってきて
 「ツアーできて良かったですね、二人だと絶対リタイアしてましたねえ」
と笑いながら言ったけど、そのとおりだとつくづく思った。
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 今回のツアーの先達は、フィリップを使って説明してくれて、聞くだけではないから非常にわかりやすく非常に良く、感心した。
 お経の声の張りも調子もよく、相方に言わすと
 「歩きは俺も少し速いとは思ったけど、皆は平気な顔してついて行ってたから、あのぐらいがいいんではないかな・・俺たちが修行不足・・ということよ」
 私は、なんせ30分遅れだから・・・
この人は バス会社の社員で、営業じゃなく事務方というのにも驚いたけど・・
焼山寺本堂
焼山寺を出て、最後の下り、まあ後は帰りのバスのところへたどり着くだけだから、下りがきつい、遍路ころがしだ!といっても気は軽い。
雨足が少しきつくなったころ杖杉庵にたどり着き、ほぼこの日の日程は終了した。
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▲リタイアをホント何度考えたことか・・リタイアしてたらそこで 「歩き」がそれで終わってしまってたわけで・・どうしても止めたくなかった私にとっては、このツアーのスタッフは良かった。最後までせかすことなく歩いてくれたことは随分助けになった。
 この せとうちバスの「歩き遍路ツアー」には感謝したい。