歩き遍路 回顧

翌2月7日、朝6時過ぎに奈半利川ほとりの二十三士温泉を出て歩き始める。
 2月の頭だというのに、ほとんど寒さを感じず、首をかしげた記憶が・・・。でも寒くないに越したことはない。
 この暗いうちの出発は、上りの苦手な私には大正解であった。
7時過ぎに 神峯寺の麓近くの安田町に入る。

 
 神峯寺・・これねえ・・標高630m神峯山の中腹430mにあって、「真縦」と呼ばれる急坂1.3kを含む3.3kの山道を登らないといけないのよねえ・・・。ガイドを読んだときから、フーとため息が出たんだけど。。
上がりはじめから最後まで上りで・・・
最初の頃は、景色も綺麗だし意気軒昂だったんだけど・・・・
30分あまり上ったところで、畑仕事をしているおばさんに
「後どのくらい?」と聞いたら
「私らでも、四・五十分かかるからねえ・・・・」といわれがっくり。
ホント上りばっかりでねえ・・・・。へえへえ言いながら、一直線に上る遍路道をあがって、やっとこさ山門にたどり着いたのが9時過ぎ・・・。3.3キロを2時間近くかかってしまった。。から、朝早く出たのが大正解。

やっとたどり着いて、ほっとしたのもつかの間・・本堂へは また急な階段を上らないといけないのを知り。。「・・・・・」


やっとお参りをすませ、納経所で書いてもらっていたら、近畿から来た思われるおっさんが
「どこもここも、駐車場代取るようになっとるやないか?6.7年前にきたときはタダだっのに、どうなっとんや?納経帳で金とるんやったらタダだろ?」と、納経帳に書いているお坊さんに、言っている。
 どうもここで駐車場代を・・と言われたみたい。
このおっさんが言うように・・・確かに、私もそう思うんだけど・・ここだけではなくあちこちのお寺で、この駐車場代は見るね。納経帳と軸に書いてもらってその上、駐車場代もいる。
 なんとなくしっくりこないところはあるよなあ・・・。
 去年、亡くなった叔父が、
 「金儲け主義の88箇所は、絶対行かん!。」と日ごろよく言ってたのを、思い出した。確かにこういうところが厭だったのかもしれないなあ。
 だけど、本来乗り物がなかった時代は、みんな歩いて周っていたわけだから、車で周ってご利益を得ようと言うのも・・・なんか都合のいい話なわけで、どっちもどっちともいえないわけでもなく、私だって行き帰りは、公共機関使い、その上区切り打ちだから、推して知るべし。。
 さあ、がんばって安芸まで・・と急いで降りてたら、中間あたりで、昨日金剛頂寺で会った 兄ちゃん に会う。
「意外と遅いなあ?」とわたし。
「そうなんですよ、朝早く出るつもりだったんですが、宿の人が お接待で ご飯出してあげるから食べていきなさい!と言うもんですから・・・悪いから食べてたら、こんなに遅くなっちゃって・・。まだ大分ありますか?」と兄ちゃん。
 ここぞとばかりに答える。
「まだ、半分・・。ずっとのぼりばっか・・・厭になるよ、がんばってな。」
「ええっ?まだ半分?・・・・」といやな顔をした。
降りるのは、やっぱり早いね・・・下りしかないから。30分あまりで降りてきた。。
 55号線沿いに歩いたのだけど、なんでこんなに暑いの?と言うぐらいの暖かさで、安芸まで歩き、再びくろしお鉄道で 高知まででて、高速バスで帰って来た。
 歩いた距離 23キロぐらい


 

道間違えた・・・

金剛丁寺の納経所で、親切にも簡易地図をもらったのだが・・・
これがねえ・・田舎の山畑の中の道の地図だから・・これといった目印もなく・・三叉路で思案していると後から遍路姿の兄ちゃんが来たので
「これどっち?」と聞き、お互い顔を見合わせながら
「こっちじゃないですかね・・」と真ん中の道を歩き始める。
 確かに地図は真ん中の道を指してる。
 遍路姿の兄ちゃんは、20歳で東京の大学生とか・・。通し打ちでまわっているそうで、今日で9日目とのこと
「たいしたもんだね、その年で・・。きっとご利益あるよ」というと
「就職難ですから・・少しでも」と兄ちゃんは、はにかむ。
何やかやと世間話をしながら、歩いていたら、前から来たカブに乗ったおっさんが
「道違うで・・神峯寺だろ?さっきのカーブミラーで右行かんと。。」
と指差し教えてくれる。
 で後戻りかけてたのだが、簡易地図を見ると・・どう見ても右には見えず、大学生の兄ちゃんに同意を求めると
「そうですよね、あのカーブミラーを右だと・・キラメッセじゃなく大分奈半利よりに降りるんじゃあないですかね」
というので、忠告を無視してそのまま歩く。
 が・・・下るにつれて道はだんだん何本にも分かれてきて
「・・・大丈夫っすかねえ・・」と兄ちゃん。
たぶん大丈夫じゃないだろうなあ・・とやっと思えるくらい下りてきて、二人で顔を見合すが、いまさら引き返すわけにも行かず、
「どっちにしても、国道には降りれるだろ?」
と歩いていると農作業の人
「キラメッセに降りるのはこの道で?」ときくと
「こっちは遠回りになるから、今の分かれ道を右に行けば出れるから」と教えてくれる。
でその分かれ道にもどり右に行く。
 と道?
 「これですか?」と兄ちゃんが私を見ながら杖で指す。
 鳥居の横に遍路道のような小路がちらりと見える。
「これしかないよなあ」と周りを見渡しながら私。
 たぶん人が通っている形跡があるぐらいの道が社下から国道に下りてる。
国道を走る車の音がゴーゴー聞こえる。
「行くしかありませんね・・」と兄ちゃんは、石がごろごろしてる道を勢いよく降りていく。
 私もしようがないからおりる。降りること5分あまり、国道にやっと出る。
「散々だったなあ・・最初のおっさんのとおり行けばよかったなあ・・」と私が言うと
「でも、ここキラメッセですよ」と兄ちゃん
見ると鯨のでかいオブジェの展示館がある。
「ここで飯食うけど、よってかない?」というと
「僕は、もう少し先で・・・」と兄ちゃんは、先に行ってしまった。
こんなおっさんに付き合ってたら・・とんだことになる・・と思われたか・・と苦笑い。
                          ・・・つづく
 
 で帰ってきてから、googleで見ると

大きな地図で見る
 この法満宮から細く伸びてる道を降りてきたようなのだが・・・
他の道・・つまり近道はこの地図でも見当たらず、そうなるとこれが正解なのかなあ・・

ぽかぽか陽気のなか

結局、やもたてもたまらなくなり2月6日金曜日の朝、5時33分阿波池田発伊野行きの普通電車に乗った。
阿波池田には、息子をたたき起こしてクルマで送ってもらった。
 前回歩きを終えた室戸には、高知周りで行ったほうが早いので・・・・特に高速バスを利用したほうが早いのだが、いかんせん朝早くというのがないので・・おとくいの電車で行くことにした。土讃線の朝一番に乗ると2時間弱で御免につく。それからくろしお鉄道で安芸。安芸から路線バスで室戸。というコース。
 土讃線に乗ったのはいいけど、まだ真っ暗でがっかり。だけど明るくなり始めの頃、橋の上にホームがあるという珍しい駅土佐北川で対抗電車の待ち合わせにあい、びっくり・・・・。鉄橋の枠が暗がりの中にぼんやり・・

でまたまた、なんとスイッチバックの新改駅がすぐあとに・・土讃線は坪尻が有名なスイッチバックの駅なんだけど、こんなに高知よりにあるとはねえ・・スイッチバックが。。

それもそのはず、列車に乗っててよくわかるのが、次の駅土佐山田へ降りていく急角度の勾配・・・
「えっ、こんなんだったっけ?ここ」と記憶をたどるのだけど・・
意外な驚き。。
 御免の駅で、安芸から室戸へのバスの連絡について聞く。
くろしお鉄道は奈半利までしか開通してなく、室戸へはどちらにしても公共機関はバスしかないのだけど、安芸より以遠は列車の本数が少ないので安芸からバスに乗るほうが便利なのである。
 若い女の駅員さんが安芸駅まで電話をかけて聞いてくれた。
「ダッシュできます?連絡時間が3分しかないので・・・大体は間に合うはずですが、丁度今の時間が通勤時間になりまして、ラッシュになってこちらの電車が遅れると・・・間に合わないことがあるそうです」とにこりとしながら教えてくれた。
 ラッシュ?こんなところで・・・?
吹き出すわけにもいかず 「ありがとう」と糺を行って、安芸行きに乗り込む。
 安芸駅に着き、ダッシュでバス乗り場へ・・
バスの陰もなく
「??」時計を見ながら ちと不安・・
 8時26分発甲浦行きは、5分ほど遅れて到着。乗客は私一人。
奈半利の大分手前で初めて、次の客、おばあさんが乗り込んでくる。
私は海のほうばっかり眺めて窓ガラスにへばりついてると、トントンと肩をつつくので振り返ると、さっき乗り込んできたおばあさんが
「これ、もってヶ」と毛糸で編んだわらじを私にくれる。
小さくてかわいいわらじである。
「ありがとうございます・・・早速杖につけます。」とおばあさんに糺を言って、杖につける。

室戸から歩き始めたのが10時前。ぽかぽか陽気で暖かい。
金剛丁寺の上り口の近くの田んぼで仕事してる人に道を聞いて上り始める。
上り始めに、後ろからきた女の人に軽く追い越される・・・
 「女のほうが強いんかなあ・・・」とぶつぶつ言いながら上る。私はからっきし上りは弱い・・

遍路道中間から室戸を望む
金剛丁寺もまたちょっと配置がかわってる。大師堂と納経所が背中合わせのような格好で・・チョイ違和感・・

納経所でキラメッセ室戸へ 降りる道を聞く。
 親切に簡易の地図をくれる。
・・・・・・ところが
これがとんでもないことになるのである・・・
               ----つづく

あんまりそういう話は・・

夜、ポカリを買いにスーパーに・・
こちらは、少し酒が入ってたので、うろうろしてたら、お母さんをつれた同級生にばったり。
二人とも少し眼が泳いでいる。
「元気?」と私の顔を下から見上げながらお母さん。
「生きてますよ」と私。
「お前、しっとるやろ?KとT_・・死んだ。・・」と早口で同級生。
「暮れとこの1月に、立て続けに・・、あんた」と涙声でお母さん。
「Tって・・たあ・?、なんで?」まさかという思いとウソだろう?というショックが頭を駆け巡り、私はしどろもどろ・・。Kは、がんだと知ってたし、去年秋家にきて、「もう、ダメかも知れない・・お前が、なった時人ごとのように・・思ったけど、なあ」と悲しそうな眼で私を見たのを思い出した。
「たーは?」と言う問いかけには返事すらせず、同級生とその年老いた親は「生きてくれよ・・とにかく、生きて・・」と、言う。
「あんまり・・そういう話は聞きたくなかったけど・・」と私は、そういうのが、せい一杯で・・
家に、帰ってきて考えてると無性に遍路にいきたくなった・・。
Kも逝ったのか・・まさか、たあもなあ・・

あまりの寒さに・・・

昨日からのあまりの寒さに、巣籠・・・。
この日月でまた歩きにいこうかなあ・・・と思ってたのだけど、こう寒いと、怖気づき
「パスするわ・・今回は・・」とかみさんに言うと、
「そうだろうね・・」と私の顔を見ながらニヤニヤ
「寒いから・・なんていうとったら、修行にならんでしょうが!高知に入ったんでしょ?寒くはないよ!」
と、けしかけるんだけどねえ・・・
年末、22番平等寺、23番薬王寺、24番室戸の最御崎寺、25番津照寺と周り、帰ってきた。
この年末は、暖かくて室戸まわりは、薄手の上着で歩いても汗びっしょりで気持ちよかったのだけど・・・
この天気じゃ、あっちでもなあ・・と。
薬王寺では、宿坊に泊まりましたが、お寺の宿坊に泊まったのは、この年末がはじめてで(覚えてる限りでは・・・)、翌朝、6時から朝のお勤めがあるというので、寒い中 筋肉痛の足をひきずりながら、またあの薬王寺の急な石段 女厄坂、男厄坂を上がり本堂へ行く。まだ夜が明けてないので暗い。
 本堂にはすでに、泊り客の家族連れ4人が着ており、私と少し遅れて来た女の宿泊客がそろったら、すぐにお勤めが始まった。
30分ぐらいの勤行でした。初めての経験でしたが、なんとなく心がすっきりしたような気分になり・・・・。



 お勤めが終わり、宿坊の食堂で朝飯を食べていたら、宿泊客の女の人に声をかけられた。女の人といってもおばさんだけどね。
「歩きですか?」と問いかけられたので
「ええ、始めたばかりで・・・」と、答えるんだけど・・あらためて聞かれると駆け出しの私としては、恥ずかしいなあ・・
でいろいろ話していくうちに、なんと前日、新野駅で同じように降りてる・・。どうも私が見落としたらしい・・
「22番平等寺から歩いてきたんですか?あれから?」
「ええ・・ぎりぎりセーフでした」
 彼女も歩き遍路でした。信越の方から来てる。ゴールデンウィークと年末年始を利用して、もう3年ぐらい来てると言ってた。
 今日どこか出会えるといいですね・・と言って、彼女は先に食堂を出て行った。私は、足が痛くてねえ・・すぐ立ち上がれない・・
 足の裏が大分傷んで、すりむけ始めていたので、カット版で応急処置して宿坊を出る。もう8時を回っている。私が一番遅いみたい。
 ひたすら55号線を歩くが、足が痛いのでなかなか速度が上がらない・・・
それでも、トンネル前のへんろ休憩所で、一人のお遍路に追いつく。
 そのリュックにくくりつけているブルゾンに見覚えが・・
「あれ?昨日、新野で、電車降りませんでした?」と聞いてみると
「そうです」とそのおじさん。うーん、あの時はキャップをかぶってたから、若い男と勘違いしたのだけど・・、私と大して年の差はないみたい。
 「えらい、歩くの早いですね・・。駅降りて、2,3分でしたよね。姿見えてたの?あっという間に引き離されてしまいましたからねえ・・」
 「いやあ、そんなに早いほうじゃないですよ・・。」
 「あのときの女の子も早かったですよ、それからすぐ女の子も見えなくなりましたから・・どちらが早くついたんですか?平等寺には」と私。
 「私の方だけど・・・あなた、平等寺からどっちへ?」
「国道とおって、薬王寺へ、ついたのがぎりぎりでした、まあトンネルは白線だけだし・・危なくて・・」と言うと
「僕は、海側 田井ノ浜へでてね・・・国道はアスファルトで歩きにくいし足に負担が来るから・・あっちの道は山道も結構あって、国道歩くより距離が長いけど、楽でしたよ。ああ、あの女子にねえ、田井ノ浜の休憩所で追いつかれてね、すぐ追い越された。あっという間、ホント。早い・・。黒のロングコートきてね・・・汗ひとつかいてなかったし・・・あれは、きっとスポーツしてるね・・」と感心して話してくれた。
「それに引き換え、僕は汗かきでねえ・・まいるよ・・こんなに暖かいとは思わなかったよ」
 ああ、それでブルゾン脱いでるのか・・と
で少しの間、彼というか叔父さんと一緒に歩く。九州から来てるそうで・・会社の休みを利用しながら、一番から順に周ってるそうで・・・
「じゃあ、私と同じですね」というと
「地元だからいいよなあ・・。何回に分けてもいいからなあ・・こっちは行き帰りだけでも大変なんだから・・」という。
すでに4回来ているんだそうで、今回は元旦には、出社しないといけないから、宍食まで歩いて、夜行高速バスで帰るとのことで・・・私は、恵まれてるのか、と実感。
さすがに私の足の遅さに、閉口したのか、おじさんは
「お先!」と行ってしまう。
鯖大師に、ついたのは昼すぎ、そこで、先に出てたおばさんに追いつく
「結構、早かったですね?着いたの大分前ですか?」
「7時に出たの。いつ出たんですか?」と おばさんは涼しい顔。
「8時過ぎです。」とこっちは、顔をしかめながらいう。
 そばに大きなリュックがあるので
「これそうですか?すごい荷物ですね」私のゆうに倍はある。
「だって向こうは、雪降ってるから、出てくるときは、冬の格好だからねえ」
このリュック背負って歩くんだからねえ・・このリュックから見ると私のなんか小学生の遠足だね・きっと。
番外だけど、納経帳に印をもらい、また歩き始める。すでに海岸沿いを歩いているので、ぽかぽか陽気で気持ちがいい・・足の痛さを除けば。。


鯖大師から3.4キロ歩いたろうか・・足が痛いし、暑いから海岸の堤防に腰掛けて、ボーっとして下見ていたら、傘をツンツンつつかれたので驚いて顔を上げると、若い兄ちゃんが
「お接待してあげるから、これ食べてがんばりや!」とぶっきらぼうに手を差し出す。その手には、みかん一個と小さい袋のカッパえびせんが・・
「えっ?いいんですか?」びっくりするやら、嬉しいやらで・・
ひとり歩きしだして、初めてのお接待をうける。
「ありがとうございます。」とお礼をこめて納札を差し出す。
「歩きのしんどさの6割は、ここの線だからなあ。・・足摺もきついけど、がんばり!」と励まされる。
 いただいたカッパえびせんには、ふせんがついてあり・・この付箋は大事に持って帰ってきた。

で、しばらく歩きまた山に差し掛かり、坂を前かがみで歩いていると
「にいちゃん、兄ちゃん!、お接待してあげるからこっちで休んでいき!」
と国道の反対側からおばさんに、大きな声で呼び止められる。
「さっきからこっち来るのみとったら、あんまりしんどそうなんでねえ、あんたが・・」とお茶と蜂蜜を出していただく。
 ほんとにこのときは、助かった・・
「ありがとうございます。助かりました」とお礼をいい納札を差し出す。
「あんた、お札くれるんだ・・」とおばさんは喜んでくれた。
やっと5時過ぎ、宿に着く。

室戸の御蔵洞は、弘法大師が若いときに修行したところと言われているのだけど、神社になってるので、入ろうか?どうしようかと迷ったけど、ここまで来たのだから、と入ってみる。

それから、24番最御崎寺に向かって足を引きずりながら歩く。足の裏が痛くて痛くて・・
遍路口からあがる。久々の山道である。700m上りの距離のみ。

たった700mしかないのに、1時間ぐらいかかる・・

この24番は、ちょっと変わってる。今まで回ったところは、納経所が手前にあり本堂、大師堂が奥にあるという配置だったように思うのだけどここは、山門を入ると大師堂がありその奥に本堂と納経所がある。本堂で拝み、それから大師堂に戻って拝み、それから納経所へ・・・
ちょっとへんなの・・・と思ってしまった。
24番から降りる曲がりくねった道路が、足にガクーンと堪えた・・もうふくらはぎがミシミシ音立てそうで・・・
 でも景色は最高!暖かいし風はないし、空はどこまでも青く高知の太平洋は、とてつもなく広く・・・

25番津照寺まで、6キロあまり・・・なんと3時間以上かかってしまう・・・。
このお寺の光景はどこかで見たような気がするのだが・・・思い出せない。映画かなんかかなあ・・
本堂は鉄筋コンクリート作りで、その上引き戸を開けてはいり、入ったところが土間になっておりろうそくも線香もここであげるという・・なんとも・・いやはや。
お参りを終えて大師堂の前で休んでいると、本堂で一緒になった若いしが
「おっさん、今日はどこ泊まり?」と聞くので
「もう・・・足が痛くて、これ以上歩けそうもないから、帰るよ」というと
「ええっ、次26番まで 4キロないよ!、がんばったら?俺、ついて歩いてやるよ」と言ってくれる。相当大きいリュックを担いでいる。
「ありがとう、でもここで止めとくよ。兄ちゃん 通し?」
「ああ、今日で10日目だよ・・」
「今日は、どこまでの予定?」
「奈半利まで行ければ・・と思っているんだけど、この時間じゃきついかなあ」と時計を見ている。
「おらあ、もう帰るから、気にせんと先、行ってや」と若いしにいうと
「じゃあ、」と若いしは手を振って足も軽やかに歩いていった。


納経所で、近くのバス停を聞く。
「室戸」だそうで、少し逆戻りになるとのこと。
300メートルぐらい後戻りした。15,6分ぐらいでバスが来、シートに座ったときはほっとした。安芸まで出て、くろしお鉄道に乗り換え、高知に出る。
高速バスで帰ってくる。1時間ちょっとである。
帰って足の裏を見る。ヒエッと驚く。
今回、一人で歩いて思ったこと。
団体で「歩き」に行くのとは、全然違う。。
本来は 一人で歩くべきなんだろうね。
たぶん今からは、一人で歩くことの方が多くなるだろう。
次は バス停「室戸」から・・