歩き遍路・・春編 その5

 昨日、5月2日・・60番横峰寺へ行ってきた。今回も知人が同行。
快晴、無風・・山へ行くには絶好の歩き日より。。
伊予西条駅に7時半ごろに着き、大頭方面へのバスを待つ。
 60番横峰寺へは、現在4ルートあるということなのであるが、私たちは昔ながらの表参道遍路道を歩く。こちらのルートが唯一、横峰寺の山門をくぐることができるから。
 大頭のバス停でバスを降り、近くのコンビニで昼飯を買い込み、歩きをスタートしたのが8時20分ぐらい。高速の高架を越え県道147号線を山の方へ一直線に進む。
 こんなに一気に山が近づくのか?と錯覚するほど山が近くなる。

湯浪で右折して、妙之谷川沿いに上がっていくと、四国の道の休憩所があり、歩き遍路用のお接待に布団や毛布が置いてあった。ここの駐車場は満杯で・・・・みんな登りに来ているのか?とびっくり。休憩所にはお遍路3人が休憩していて、私たちが着くと程なく先に出発してしまいました。
 この登り口からは、坂の階段状態。。

 ここから約2キロの山道は、階段もしくは山道の階段状態が延延と山門まで続く。
横峰のきつさは、これか・・・と。だんだん足が上がらなくなり・・へえ!へえ!ぜい!ぜい!の繰り返し。。

途中、竹木の林を登ってゆくのだが、これが非常に美しいので少し疲れも和らぐ。。

山門にたどり着いたのは、12時少し前。大頭から3時間半余りののぼりであった。
つい最近歩いた、八丁坂から比べると少しこちらの方が楽だったような気がするのは、2人で歩いてきたからか・・・な?


今日は快晴で、気温も高かったので標高745mのここ横峰寺でも暖かく日差しもきつかった。

横峰寺の駐車場側の道を出たのが12時半過ぎ。
車道から、香園寺奥の院への遍路道へ入る。急な下りの連続。

これが 横峰寺の裏参道に当たるのだが、急坂が多く距離が意外に長かった。
「ホントにこの距離かよ?」と知人と首をかしげながら降りたんだけど、案内板では 30分も歩いて600メートルしか縮まってないから、不思議・・。
 で、地図上で見て横峰の標高から考えると、香園寺奥之院までは一方的に下るはずなんだけど・・・途中で上り下りがあり閉口。

山つつじがきれいに咲き始めていて、遍路道は、山つつじと新芽のトンネルの様。。

香園寺奥之院に続く車道に降りる手前あたりで、上がってくる若者に遭遇。
上はお遍路姿に下はチャリパンツ、素足に自転車シューズのいで立ち。
「いまから、横峰行くの?」
「ええ!上がってすぐ帰ってこないと暗くなるでしょ・・・だから、急がないと!」
「ええっ?もう2時半過ぎだよ・・・きついよ!、この道・・」
「がんばりまーす!」と若者は元気よく上がって行ったんだけど・・・その後ろ姿を見送って
「・・今からだと、最低2時間はかかるだろ?おれたち降りるのでも、もう2時間かかってんだよ?若いから行けるんかいなあ?」と知人。
「すごいなあ・・・上り坂だからなあ・・それで、打ちもどるつもりだろ?あの様子じゃ・・信じれんなあ・・・」と私。

香園寺奥之院は、建物の窓越しに
「ここ、奥之院ですか?」と聞いたぐらい、お寺らしくない建物で・・。

が、本堂を知っていれば、奥之院が↑こういう建物でも別におどろかなかったんだけどねえ。。
奥之院から2.5キロで、香園寺。
写真をも撮る気にならないくらいの建物。コンベンションセンター風の建物で…

ご本尊と大師堂が2階に・・・それも並んであるという・・なんとも・・私には、言いようがない雰囲気。
「横峰から下りてきて、奥之院とここに来て、このギャップは何なの?とおもうよなあ、前にも来てるんだけど・・今回、横峰から下りてきてこれだとなあ・・・」と知人
「南光坊も鉄筋だけど、一応お寺の恰好してるからねえ・・・ここはなに?と思うよねえ」と私。知人が言うように、歩いて横峰を参拝し、下りてきてこれじゃあ・・・ホント何とも言えない気分になる。
 で、2人してぶつぶつ言いながら、62番宝寿寺へ。
こじんまりしたお寺なんだけど、香園寺の後だからホッとする。

宝寿寺を出たのが、4時半ごろ
「もうひとつ行きましょう」と63番吉祥寺へ

5時ちょっと前に、吉祥寺の山門をくぐる。


二つ続いて、お寺らしいお寺を打ち、納経所も閉まる時間になったので今日はこれで終わり。
 の筈だったのだけど、列車の時間を見るとまだ一時間あまりあり
「次の64番前神寺の近くの駅まで歩きましょうか?」と知人が言うので
「では・・」と
前神寺の参道近くの石鎚山駅まで歩いた。
 待合室に遍路姿の若者が一人。話を聞くと、今日は横峰をとばして、壬生川から61.62.63.64番前神寺を打って、明日の横峰のために小松の宿に帰ると言う。
「宿屋のおっさんが、横峰への近道を教えてあげるというので・・」と若者
「香園寺の奥之院ルートの逆打ちだったら・・相当きついですよ」と知人
「そうなんですか?・・横峰打って、石鎚山登って帰りに奥前神寺、極楽寺を打とうかと・・」
「げっ!・・・それは・・