43番明石寺 逆打ち顛末記

 12月4日(金)から6日(日)までの3日間で、前回打ち終えた 40番観自在寺から43番明石寺まで 63キロの道のりの歩き遍路に行ってきた。
 この距離感だと 2日かなあ?という雰囲気もあるのだけれど、いろいろ調べたり聞いたりしてみると 御荘町から津島町への峠 柏坂が結構きついらしいとの事だったので、3日間とした。
 40番観自在寺は 1番霊山寺からは1番遠い位置にあるとされている。ということは、私のうちからも交通の便は悪いわけで、散々考えた挙句
 「43番から、逆打ちをしよう」と決めた。
 初日、卯之町 43番明石寺 42番仏木寺 41番龍光寺 を回って 宇和島どまり。2日目は岩松どまり、3日目は柏坂越えで観自在寺、という予定を組んだのだが・・・・・いざ歩き始めてみるとこれが大変な落とし穴が待っていたのであった。

 12月4日 朝9時過ぎ 卯之町駅に到着。卯之町の昔ながらの街並みを縫うように歩くと 高野長英の隠れ家があった。
 「へええ、こんなところに隠れてたのか?」とちょっと驚く。

この頃の南予は歴史の表舞台にちらちらと顔を見せていたのか・・・と思わせるなあ。
この路地を抜けて 聾学校の横の小路を上がっていくと 43番明石寺。

 まだ多少紅葉がのこり・・・・・

寺について、GPSロガーの電源を入れてないのに気づく。このポカが多いなあ。

参拝を済ませ、いざ42番仏木寺へ歩き始めたのはよいのだけど、参道を下りたとたん道標らしきものがない。はて、困ったぞ!とこの辺りからいやな予感。
 高速道路の工事に伴い、大きい道路がバンバンできているものの、道標が見つからない。たまたま通りがかった電力の叔父さんに聞く。親切に教えてくれるものの、実際歩いたことがないから(まあ普通の人はそうだねえ)小路に関してはあやふや。少し先までの道はわかるというのでその辺りまで教えてもらい歩く。
 12月に入ってるから、極端に歩きへんろの人は減ってるし、まだ午前中だから来る歩き遍路には会わないから、聞くことすらできない。
 しばらく歩いて宇和球場に出たところで迷う。たまたま通りかかった地元のおばさんにへんろ道に出る路地を教えてもらい、ほっとする。

宇和球場沿いの土手にあるへんろ道の道標
で、民家の間を縫って県道へ。
 宇和町下川の県道31号線の橋を渡ってからが・・・・大変だった。
橋を渡ってしばらく行くと 歯長峠へんろ道への入り口なのだが、ここで道路の擁壁工事もあって入り口がはっきりわからなかった。最初入った道は20分ぐらいあがったところで行き止まりになり、引返して元のところへ戻り現場の人に聞き
 「ああ、へんろの人ならあそこからようおりてくるわなあ」と指差す小橋から入ったものの、この中の道しるべが見つからず、この山の中で 小一時間ほど迷ってしまい途方にくれてた時、やっと順打ちのお遍路の姿を木陰越しの眼下に見つけ、ほっとして道を教えてもらう。
 「逆うちですか?」と問い聞かれ
「そうです・・初めてで逆うちで迷ってしまいました・・・」と苦笑いすると
「ええっ・・・・それは・・・」と呆れてました。
ーーたぶん、無謀な・・・・という言葉がでかかったのでしょうが・・・・

 これが、その時のログ 明石寺から逆打ち 
この山の中での迷走ぶり・・・・後から見ればぞっ!とする。

 その日に泊まる宿は、大体昼ぐらいに予約するのだけれど、今日は山の中をさまよってたから今からなのだが、すでに2時をまわってる。あいも変わらずIPHONEは圏外。その上、この逆うちで、へたすりゃ道に迷って・・・・よくニュースで山菜取りで遭難なんて耳にしてたのだが、まさか自分がこんなところで道に迷うなんてこと思いもよらなかったし、あそこで白装束見なかったら・・・てことになるかも知れないという不安感が募り、思い切って宇和島まで歩き、駅前か、便と宿があれば御荘町まで行き順うちに戻ることにしよう!と決め、足早に仏木寺へ。

 ここから 仏木寺の道も凄く、逆うちでくだりになるのだけれど、順打ちだと相当きつい上り、何しろ鎖がある急勾配。やっと仏木寺にたどり着いたのは 3時過ぎ。

 仏木寺には、七福神の石像があり
  「へえ・・・」と驚くばかり。お寺に 七福神ねえ・・

平地に下りてきてやっと IPHONE 始動。
御荘町 40番観自在寺の門前の宿がとれる。宇和島駅まで歩いて、最終バスでこれなら行ける。

 境内で女のお遍路さんに、歯長峠への道を聞かれあれこれ話をしているうちに、寺を出たのは4時ぐらい。
 41番龍光寺までは 2.6キロ。5時までに入らないと御朱印をもらえないから足早に歩く。今が一番陽が短く、歩道沿いにはコスモスがズーッと植えられているのだけど、時計と睨めっこで気もそぞろ。

 ところがここでも、逆うちを選んだ浅はかさが出る。龍光寺への入り口がわからない。通行人も見当たらず、看板探しながらうろうろするも道しるべはなし。そうこうしてたら、下校中の男の中学生に会い、懇切丁寧に道を教えてもらい、事なきをえる。宿毛でもそうだったんだけど、結構男のこの方がこういう場合役に立つ。
 龍光寺に入ったのは、4時40分ぐらい、ぎりぎりセーフ。

必死で歩いてきたので、凄い格好。

 お寺で県道へ出る道を聞き、出たのは5時ぐらい。あっという間に陽は落ち、周りは真っ暗。
57号線をひたすら宇和島駅を目指して歩く。
 前々回足摺岬から打戻りで久百々まで歩いた時も真っ暗だったなあ・・・と思いながら歩く。
逆うちは、ちょっと・・・という思いが何とか宇和島駅まで足を持たせた。
 宇和
島駅に着いたのは8時前。平城札所前にバスで着いたのは9時過ぎであった。

    GPSロガー最後の方電池切れ・・安物は・・
 
今日の歩行距離 約30キロあまり (迷走分含む)
          ・・・・・・・・つづく