延命

延命 このそのものずばりの言葉を冠にする 水に 興味を持ったのは、かくいう知人が、近くにある 「坪尻」のスイッチバックを乗りに行って、いたく感激して帰ってきてからでした。
 
 この知人に年甲斐もなく、対抗心を燃やしてちょっと変わったスイッチバックがないだろうか?と調べていると、この出雲坂根駅に湧き出ている「延命水」にぶち当たった。昔から有名な水のようで、近くには 延命神社もあるとかで、病気を持っているものとしては、どうしても気になりはじめ、機会があれば、ちょっと飲んでみたいなあと・・・
 夜中の2時に、電車をパスしたものの、
「どうしようか・・・・帰ろうか、朝一で・・・」
退院して以来、24時間起きていたこともないし、まして部屋やベッド以外で寝たこともない・・から、・・・駅員に聞くと 朝5時には始発が出るからと言う。
 仕方なしに、構内の待合室の椅子に横になる。
 若いとき以来だなあ・・・駅で朝を待つのは・・
 昔から比べるとずいぶん座り心地の良い椅子に横になっていると
 「延命水」がだんだん気になってきた。
 大分迷った挙句
「せっかくここまで出てきたんだから、・・行こうか?」
 調子が悪くなれば、すぐ帰ればいいか・・
と改札口へ行って、時刻表を見せてもらい、経路を練り直しはじめたのは、4時も回っていた。
                 <つづく>