歩き遍路 秋編その1 曼陀峠遍路道の道案内犬 「のら」

 昨日 10月11日に 5か月ぶりの日帰り歩き遍路に行ってきたのだけど、多分というか今後二度と経験はできないだろうという出来事にあい、いたく感激した。そのお話を・・・

5月の連休明けに歩き遍路に出て熱中症になり2週間余り入院。やっと担当医にあまり無理しないで行くならとOKをもらい機会を待っていた。最近の山はイノシシの出没も頻繁で、だいぶ用心をしていたのだが、少し涼しくなり天気も回復したので知人と行くことにした。二人いればイノシシも何とかなるかもしれないし・・・・・この知人は、私が入院中 「回復するまで待ちますから・・」と言ってくれて、先にも進まず・・待ってくれていたのである。

 66番雲辺寺 67番大興寺 を回り観音寺駅までというのが、予定だった。

退院上げに徳島県と愛媛県の県境の境目トンネルの手前の七田というところまで歩いていた

 65番三角寺から66番雲辺寺までの遍路道は、三角寺を出て 別格椿堂を参り 境目トンネルの手前まで来て、最近の遍路はこのトンネルを通り徳島県佐野の民宿岡田屋に泊り、翌日雲辺寺へ、というのが一般的なコース。が本来、一番古い遍路道は、七田から左へ曼陀峠遍路道に入り雲辺寺を目指すのである。で、この曼陀峠遍路道をどうしても歩きたくてこの遍路道をあるくことにして、知人と二人、朝6時半過ぎにこの遍路道の分岐点まで、かみさんに車で送ってもらった。

 曼陀峠遍路道に入ってすぐに、急坂となり一気に国道を見渡せるほどの高さまで登る。

この急坂を登りきると軽四が一台通れるぐらいの舗装された農道に出る。
そこで1匹の犬に出会う。最初近くの民家の飼い犬かと思ったのだけど、ずっと私たちの周りをうろうろしながら、前になり後ろになりついてくるのである。そのうち帰るだろうと思ってたのだけどなかなか帰ろうとしないので首を見ると、首輪をがない。
 「野良犬かもしれんなあ、この犬」と私
「どこまで付いてくるんかねえ・・」と知人も相槌。で名を「のら」とつける。

 ところが、舗装が終わりうっそうとした遍路道に入るなり、「のら」が前を前を歩きだし先導してくれる。道案内である。。

道案内の様子を、動画で撮ってます。ところどころ崩れかけた遍路道を「のら」が行きつ戻りつしながら、「大丈夫だよ」と言わんばかりに尻尾を振りながら私たちの方を振り返りながら先を歩いてくれるのです。

で、結局この人懐っこい「のら」は、雲辺寺本堂の真下まで案内してくれた。この間の距離約10キロ、時間にして4時間半余り・・・。途中1回「のら」は草むらの水たまりで、水を一回飲んだっきりである。その時、私は飴と弁当を持っていたのだが、弁当をやるわけにはいかず飴玉をやったのであるが、バリバリ音を立ててあっという間に食べた。多分「のら」は、曼陀峠遍路道を上がってくる数少ない歩き遍路の道案内をして、えさをもらっているのかもしれない・・・。私たちが本堂で参拝を終え下に降りてくるともう「のら」はいなかった。ロープウエーで上がってくる参拝客に追い払われたのかもしれない。それから大興寺を打ち、観音寺駅まで歩いて帰ってきたのであるが、道々「のら」のことが気になって・・。

七田までの10キロを無事帰って行ったのだろうか?・・・飴しか与えてやれなかったので少し胸が痛み・・・帰ってかみさんに話したら
 「私だったら、弁当の半分やったかもわからんし・・・・。その「のら」は、ひょっとしたら、弘法大師のお使いだったかもしれんで。」と。

 確かに、「のら」は、お大師さんのお使いだったかもしれんなあ・・雲辺寺まで一度も地図を見ることもなく、「のら」の後をついて行っただけだから・・・・

 たぶんもうこの先二度とこういう経験はできないだろう・・・し、歩き遍路した中でも いたく感激した記憶としてずーっと残っていくだろう・・・ひょっとして、お大師さんの化身のようだったかもしれない思いととともに・・私の脳裏に・・。

曼陀峠遍路道の県境にて

曼陀峠を抜けて徳島を望む

雲辺寺本堂に到着・・・・ここまででした 「のら」 とは・・・

雲辺寺は、相当きれいでずいぶん整備されてました。

12時前に雲辺寺を出る。67番大興寺まで9キロあまり・・・。下りだから、2時間余りあれば十分だろうとタカをくくってたところ、あにはからんや・・・ずっときついくだりで何と3時間余りかかってしまった・・・・。

大誤算で、大興寺に着いたのは3時を回ってた。。

で、3時半過ぎに寺を出たものの、二人とも5カ月ぶりの歩きだったので、この時間帯になってバテバテ。。

観音寺駅に着いたのは、6時をゆうに回ってたけど、今回の歩きは 「のら」の印象が強くて・・。

▲気分良く帰ってきたのだけど、今回歩いたのは約26 7キロぐらいだろう・・。いつも持ち歩くGPSロガーを知人貸してたので、IPHONEのアプリのITRAILというロガーをつかったんだけど・・・・これがひどくて・・バッテリーの消耗が激しくて雲辺寺の手前で電源を切る始末で・・・そこまでしかログが取れてない。

  雲辺寺への道 曼陀峠遍路道

 今回は、野良犬だったけど道案内してくれた 「のら」 に感謝、感謝!

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